連携大学ICT特別講義
『こどもの・自らのがんを、子どもにどう伝えるべきか? -CLS(チャイルドライフスペシャリスト)の役割を探る-』
【背景】
がんが日本人死亡原因の1位となったこと、また治療成績の向上により、がんを発症した後も通常に近い生活を送 ることが可能な方が増えている。一方、家族ががん告知を受けた瞬間から本人はもとより家族の日常生活のあり 方にも影響を及ぼし、個々にも様々な葛藤を生む。ましてそれが社会的に、生物学的に弱者である未成年だった場合、精神的社会的影響の大きさが、その後の成長、生活にも影響を与えうる。また、両親の2人に1人近くががんになる現代、親ががんを発症した場合、子どもへの伝え方は、伝える親にも受け入れる子どもにも精神的負担を伴う重要な瞬間であり、その後の療養にも影響を与え得る。
CLS(Child Life Specialist)は、医療環境にある子どもや家族に、心理社会的支援を提供する専門職であり、子どもや家族が抱えうる精神的負担を軽減し、主体的に医療体験に臨めるようサポートするが、認定を受けたCLSは未 だ少なく充足率は十分でない。
【目的】
①CLSの活動を紹介し、臨床におけるニーズを探索する。
②実際の小児がんの現場でがん告知がどのようなプロセスがとられているのかを共有する。
③親のがん発症を子どもに伝えるべき場面で何が必要か、親のがん発症後のより良 い家族生活のための方策を考える。
- ゲスト
- 聖路加国際病院 チャイルドライフスペシャリスト 三浦 絵莉子 先生